サブバッテリーシステム搭載時の留意点

サブバッテリー・システムとは…

キャンピングカーなどの車内で、エンジンを切っても電子レンジやテレビなどの電化製品が使えるようにするための電源設備で、メインバッテリーとは別立てのバッテリーを用いることからそう呼ばれています。

一般的には、充電放電の繰り返しに強いディープサイクルバッテリー、バッテリーの12ボルトを家庭用の100ボルトに変換するインバーター、走行充電器、外部充電器の4つの機器を組み合わせて構築するため、「システム」という言い方をしています。バッテリーの本数やインバーターの出力は使用目的に応じて変えられますが、大半のキャンピングカーはバッテリー2本組で、電子レンジのような大容量の家電が使える1500Wのインバーターを搭載しています。

サブバッテリー・システムには、搭載に適した車両がある

さて。本題はここからですが、結論から云うと3列シートのままのミニバンにサブバッテリー・システムを搭載するのは「不可能に近い話」です。仮にできたとしても、運転中や車中泊時に支障が生じる可能性が高く、当方だけでなく取付けを請け負ってくれる工場があるとは思えません。

そう断言する根拠は、搭載スペースにあります。
サブバッテリー・システムを搭載するには、サブバッテリーとインバーターが運転中に動かないよう、しっかりしたボックスに配置し、さらにそれをクルマのどこかに固定してやる必要があります。
3列シートのミニバンの場合、それを積むとしたらサードシートの下か、バックドアとの間のわずかなラゲッジスペースということになりますが、ボックスをクルマに固定するのが難しい上に、イスやテーブルなどのキャンピングギアを収納する場所を奪われることにもなります。

かといって、サードシートを外して使うとなれば、陸運局に「構造変更」の申請を出さなければなりません。

参考:マイカー改造前に知っておくべき2つの法律

写真はハイエースのスーパーGL。4ナンバー車のいわゆるバンです。
このクルマは荷台にボルトオンでフローリングのような化粧板を敷き、それをパソコンの「基板」のように利用することによって、ベッドやサブバッテリーボックスの設置を実現しています。たまたまこのクルマはバッテリーを1本しか積んでいませんが、枠を広く設計すれば、2本でも問題なくレイアウトすることができるわけです。

今回はデッドスペースになるタイヤハウスの囲みの中にサブバッテリーを配置し、お客様が趣味に使う登山用のリュック2本が楽々と納まる広い荷室を実現していますが、4ナンバー車はこのような改造に適しています。

しかも車種の選択肢は広く、ワンボックスタイプの軽自動車でも、1600CCのNV200やライトエースでも、クラス最大級のハイエースやキャラバンでも同じように改造できます。

本格的なサブバッテリーシステムを希望されるのであれば、まずはベースになるクルマをバンタイプにするか、ハイブリッドエンジンのクルマに乗られることをお勧めします。

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